ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

190207103_norimen_40

2.高強度ネットの特性と特徴【規格・形状】 斜面崩壊対策工で用いる高強度ネットは、テコネットと称し,ヨーロッパのEN規格(EN10240)に規定される硬鋼線である。 日本国内の規格に照合すると,強度上は、JISG3521硬鋼線SW-Cに該当する。 形状等は下記による。 ・マス目寸法 83mm×143mm ・素線径 φ3.0mm ・端末部加工 ねじり加工 この「ねじり加工」により、従来の金網にしばしば見られた引っ掛かりよる変形や損傷の発生がほとんど無くなっている。【強度および変状性能】 テコネットの素線引張強度は、1,770N/mm2以上あり、従来の一般的な金網の素線引張強度290~ 540N/mm2(「落石対策便覧」より)と比べると、約3 ~ 6倍超の強度を有する。 また、テコネットと一般金網の引張試験結果例を示す。 これを見ると,荷重が小さい場合には変位が菱形金網と大差はないものの,荷重が大きくなると変位増加率が下がる, すなわち、「ある程度の変形まで達すると強い粘りがある」ことが、ネットとしての大きな特徴である。 これにより、地盤の比較的小さな動きの時点からテコネットは強度特性を発揮することができ、斜面崩壊対策工として有効性の高い部材であるといえる。【防食性】 テコネットは、標準仕様として,硬鋼線を亜鉛・アルミ合金めっき処理し、さらに飽和ポリエステル(PET)被覆をしている。 そのため,海岸や火山隣接地域等、様々な環境条件下において高い防食性を発揮する。【地震に対する耐久性】 吹付法枠等のコンクリート構造物は、剛な構造体であるため地震時の大きな揺れによる地山の動きに追従できない恐れがある。 そのためフレームにひびが生じ法枠の自重による座屈破壊が生じることが懸念される。 上記に対しクモの巣ネット工法は、柔な構造体であり地震時の大きな揺れによる地山の動きに追従できる。テコネットの防食加工地震による吹付法枠の損傷例テコネットの寸法及び形状ねじり加工テコネットの引張試験結果-16-