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概要

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技術講座高強度ネット斜面崩壊対策工「クモの巣ネット工法」(NETISプラス: AC-180003-P)柔構造物工法研究会研究会員 東亜グラウト工業㈱九州支店 池 田 俊 一-15-はじめに写真3 コンクリート構造物がない施工事例(緑化を施した場合)1.工法の説明 本工法は、切土斜面および自然斜面において、崩壊深さが3.0m程度以下の場合に適用することができ、その際には、斜面全体のすべりと局部的崩壊の2パターンについてそれぞれ計算を行う。【構造】 ①高強度ネット、異形棒鋼、鋼製プレートを組み合わせるだけの簡便な構造である。 ②従来技術で見られるコンクリート構造物がないため、目立ちにくい構造である。 ③地震などによる地山の歪みに対して追従性が高い。【施工性】 ①作業工種が少なく、部材は二次製品を用いるため、工期が短い。 ②大規模な仮設備が不要で施工時の占有面積の低減や期間の短縮、道路の早期供用が図れる。 ③各工程が簡素であるため作業員の負担軽減、吹付け作業やコンクリート管理の熟練技術者の軽減が図れる。【経済性】 ①吹付枠工と比べ工事費で経済的である。 ②二次製品を使用し工期が早いためトータルコストに優れる。【環境】 ①CO2の排出量が吹付枠工と比べて極めて少ない。 ②産業廃棄物発生量が大幅に低減する。 ③のり面全体に植生工などが併用でき、周辺環境との調和が図れる。 ④施工時の騒音、振動が低減される他、使用する燃料や油脂類量も少ない。 クモの巣ネット工法は、高強度ネット斜面崩壊対策工として、二重防食を施した耐久性の高い高強度ネット、異形棒鋼、鋼製プレートを組み合わせた工法である。 本工法は、従来の吹付枠工とは異なり、コンクリートを使用しない柔構造であることから、施工性、環境、経済性などの面でより優れた特徴を有する。 本稿では、高強度ネットの強度特性や防食性などを踏まえ、クモの巣ネット工法の概要を主として紹介するものである。写真1 クモの巣ネット工法施工後状況写真2 クモ用プレート設置状況