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概要

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-8-熊本県?? 土木部?? 河川港湾局?? 砂防課長?? 松永?? 清文?? ??1.はじめに(1)熊本地震による土砂災害の発生状況平成28年4月、かつて経験したことのない震度7を2回観測するなど、熊本県を突然襲った一連の地震活動(平成28年熊本地震)により、158箇所の土砂災害(図-1)が発生しました。(2)土砂災害の特徴熊本地震で発生した土砂災害の特徴として、山腹だけでなく崖頂部や尾根部でも多くの崩壊が発生していること、山王谷川に代表される土石流については、降雨がなかったにもかかわらず斜面崩壊がそのまま土石流へと移行したこと、高野台の地すべりに代表されるように降下火砕物堆積部では、緩勾配の箇所でも地すべりが発生していることがあります。また、がけ崩れが震度6弱以上を観測した市町村で発生しているのに対し、山腹崩壊及び地すべりは阿蘇地域(阿蘇市、南阿蘇村、西原村)に集中して発生しています。さらには、震源に近く震度7を2度観測した益城町などにおいては、宅地擁壁の崩壊をはじめとした宅地に関する被害が多いことも今回の土砂災害の特徴です。熊本地震による土砂災害と復旧・復興への取組みについて???? 平成28年4月に発生した熊本地震により、県内各地で山腹崩壊や地すべりなどの土砂災害が発生し、甚大な被害をもたらしました。???? 本稿では、熊本地震による土砂災害の特徴と、対策工事の中で法面工事の規模が比較的大きい「大切畑災害関連緊急地すべり対策事業」について紹介します。??発生件数死者山腹崩壊(土石流含む) 54 3地すべり10 7がけ崩れ94合   計158 10図-1 熊本県内の主な土砂災害発生箇所図熊本地震による土砂災害と復旧・復興への取組みについて熊本県土木部河川港湾局砂防課長 松 永 清 文 平成28年4月に発生した熊本地震により、県内各地で山腹崩壊や地すべりなどの土砂災害が発生し、甚大な被害をもたらしました。 本稿震による土砂災害の特徴と、対策工事の中で法面工事の規模が比較的大きい「大切畑災害関連緊急地すべり対策事業」について紹介します。