ブックタイトル201608090758_norimen_no37
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技術講座老朽化モルタル・コンクリート吹付工の補修・補強工法「トーコンプラス工法」東興ジオテック株式会社1.はじめに 高度経済成長期に多く建設された橋などの社会資本は、年数が経って老朽化しており、修繕や作り直しの時期が迫っているといわれています。法面保護工についても同様で、昭和30年代頃よりモルタル・コンクリート吹付工が多く採用されています。施工してから年数の経ったモルタル・コンクリート吹付工は、老朽化が目立ち、モルタル・コンクリート吹付面に亀裂が発生していたり、吹付背面の空洞化現象やモルタル片の剥離などが発生しており、作り直しや、何らかの延命化対策・補修対策が必要となってきています。 作り直しは、モルタル・コンクリート吹付工をはつって撤去してから、新たにモルタル・コンクリート吹付工を施工することになります。この場合、大規模な防護用仮設設備が必要であること、はつり作業に手間がかかることと、はつり作業を行うので、地山の崩壊の危険性のリスクが高いこと、多くの廃棄物が出ることなどの問題を抱えながらの施工となります。 一方、延命化対策・補修対策の主なものとしては、モルタル・コンクリート吹付工の上から増吹きをする方法があります。この場合、はつり作業がないので、前述の作り直しのような大規模な防護用仮設設備は必要とならないこと、はつり作業を行わないので、地山の崩壊の危険性のリスクが低いこと、廃棄物が少ないことなど、作り直しで発生する問題を軽減することができます。また、既設モルタル・コンクリート吹付面に変状があった場合には、亀裂が発生するのでセンサーとして機能し、安全施工が可能となります。 こういう背景から老朽化モルタル・コンクリート吹付工の補修・補強工法の必要性が高まり、多くの工法が開発されてきました。当社においても、老朽化モルタル・コンクリート吹付工の補修・補強工法として、トーコンプラス工法を開発しました。今回は、トーコンプラス工法について紹介します。2.老朽化モルタル・コンクリート吹付工の調査 老朽化したモルタル・コンクリート吹付面には、ひびわれ、剥離、破壊などが発生します。ひびわれなどが確認されたら、概略調査として、モルタル・コンクリート吹付面の状況およびモルタル・コンクリート法面上部の周辺地山などの状況を調査します。モルタル・コンクリート吹付面の変状の発生状況・分布およびその進展の度合いを考慮して、調査対象法面の健全性を判定します。健全性に問題があると判断された場合には、緊急対策、応急対策、恒久対策を必要に応じて検討します。 モルタル・コンクリート吹付法面の全体の安定性に問題がある場合にはボーリング調査等を別途行います。必要に応じて通行規制なども行います。 地すべりや表層崩壊の兆候がないと判断された場合には、老朽化モルタル・コンクリート吹付面の調査を行い、主に表2.1のような調査を行います。表2.1 老朽化モルタル・コンクリート吹付面の調査例調 査内 容変状調査① 現地踏査空洞調査① 熱赤外線映像法を用いた 法面診断② 打音調査③ 削孔調査背面地山貫入調査① 貫入試験3.老朽化モルタル・コンクリート吹付工の補修・補強工法「トーコンプラス工法」の設計 老朽化したモルタル・コンクリート吹付の調査を行い、その調査結果にもとづき、図3.1に示す設計フローにより工法を選定します。図3.1 トーコンプラス工法の設計フロー-12-